オードリー・タン氏来日!世界が注目する台湾発の合意形成プロセスを学ぶワークショップ@霞が関・鎌倉で開催

2019年02月20日

2019年3月9日(土)、10日(日)、一般社団法人Code for Japan(コードフォージャパン)と一緒に、台湾からシビックテックのスターチームを迎えて、市民、企業、行政の対話による合意形成プロセスを学び、新しい制度設計について考えるワークショップを開催することになりました!

世界が注目する台湾のオープンガバメント

台湾では、2014年の”Sunflower Movement”(ひまわり学生運動)※1以降、オープンガバメントに関連した施策が急速に展開されています。その大きな推進力の一つとなっているのが、g0v(ガブゼロ)というシビックテックのネットワーク。”Sunflower Movement”もサポートした彼らは、運動の終結後 、「vTaiwan」(ブイタイワン)というデジタル政策に関する合意形成をボトムアップで行うためのプラットフォームを2週間でセットアップし、その後の1年で、25の案件の議論をファシリテイトするほか、多くのプロジェクトに人材を輩出しています。2016年に民主進歩党政権が誕生すると、天才エンジニアとして異色の経歴を持つ、唐鳳(オードリー・タン)氏が入閣。行政サイドにも参加型協働の窓口となる省庁を横断する官僚のネットワーク、POnetwork(Participatory Officer network、ピーオーネットワーク、マネージメントはPDIS)を構築し、ITツールを活用した官民による合意形成の仕組みづくりの実証実験を始めました。こういったここ約5年の台湾の動きは、世界から大きな注目を集めています。

その台湾で、まさに今実施されている、マルチステークホルダー間の合意形成の最新のプロセスを体感しようというのが、今回のイベントの趣旨です。台湾チームからのレクチャーを受け、具体的な社会課題をテーマにこのプロセスをたどり、皆さんと一緒によりよい法・制度設計のプロセスを考えていきたいと思っています。

Day1.は、SENQ霞が関にて、「デジタルトランスフォーメーション時代の本人確認」を、Day2.は、鎌倉市商工会議所に会場を移し、「ふるさとテレワークを考える -古都鎌倉から始まる多様で”らしい”生き方-」を取り上げます。

今回イベントで体感するプロセス

今回体感する合意形成の全体のプロセスは具体的には以下のとおり。

 
イベント前:「プロポーザル」「オピニオン」ステージ

イベント前に、意見集約のための「オピニオン」というステージがあり、なるべく多くの皆さんの意見をうかがいたいと思っていますので、「プロポーザル」をご確認のうえ、ぜひ投票にご参加ください(Web上で完結します)。

使用するのは、「Pol.is」(ポリス)というオープンソースのツール(本邦おそらく初公開?!)で、実際に「vTaiwan」や「POnetwork」のプロジェクトでも活用されています。

使い方は簡単で、ウェブ上に次々と表示される質問カードに、Agree(賛成)/Disagree(反対)/Pass・Unsure(保留・わからない)の3択で投票していくだけ。違うアイデアや意見があれば、ステートメントとして新たに投稿することができ、投稿されたステートメントは質問カードとして追加されます(今回の投票には、Facebookアカウントでのログインが必要です)。一定数の投票が集まると、誰と誰が同じような投票行動をしたのかを視覚的に表示したマッピングが表示されます。複数設定されている質問にどう答えたかによって、人々をグルーピングし、そのうえで意見整理をしていくという設計になっています。多くの意見が集まれば集まるほど面白いらしい・・・ので、ぜひたくさんの方にご協力いただけたら嬉しいです。



ただ、私たちでもテストしてみましたが、まだ操作上にも改良の余地はある模様ですので、不具合があればぜひお知らせください(ご不便をおかけしてしまう可能性については、ご容赦いただければ幸いです)。

Day1.Day2それぞれの「オピニオン」は、下記URLです(所用時間は5分~10分程度)。ご興味のあるテーマへぜひ。両方ご協力いただくのももちろん大歓迎です!

上記上手く行かない方はGoogle formも用意しておりますので、こちらも合わせてご利用ください。どちらか一方のアンケ―トツールにお答え頂ければ大丈夫です!

Google form版アンケート(Day1Day2

また、こちらについての事前インプット資料(課題提起:プロポーザル)もご用意しております。
 併せてお読みください!

 

イベント時:「リフレクション」ステージ

そして、「リフレクション」ステージにあたるのが、3月9日(土)、10日(日)のワークショップです。ここでは、「オピニオン」で集めたデータを参照しつつ、グループごとに「Idea Development Sheet」に沿って、課題抽出から解決に向けた制度化への道筋について議論をすすめていきます。参加をご希望される方はこちらからお申し込みください。

ちなみに、2018年11月、今回と同様の趣旨のワークショップが、カナダ・トロントで開催されています。下記でご覧いただけますので、ご参考までに。

https://www.youtube.com/watch?v=D4MJDdV3iwg
 https://www.youtube.com/watch?v=qn-7QU8NUMk
 https://www.youtube.com/watch?v=WdnUgGKKjqk

オードリー・タン氏は、あるインタビューで、「断絶は、自由な社会のもと、多様性があるからこそ」と語っていました。現代の社会が必要とする、マルチステークホルダー間での新しい合意形成のためのコミュニケーションについて、ぜひ皆さんで一緒に考えていきましょう。

 
Event
Code for All Program
- Workshop for Designing Open Legislation Platform in Japan -
(官民協働による参加型の制度設計を実現するワークショップ)
 
 
共 催:一般社団法人Code for Japan、一般社団法人Pnika
協 力:g0v、vTaiwan、PDIS
後 援:鎌倉市役所(Day2)
日 時:Day1.2019年03月09日(土)13時~18時(会場:SENQ霞が関
Day2.2019年03月10日(日)13時~18時(会場:鎌倉市商工会議所
テーマ:Day1.デジタルトランスフォーメーション時代の本人確認
Day2.テレワーク・ライフスタイルを考える -古都鎌倉から始まる多様で”らしい”生き方-
対 象:官民協働による参加型の制度設計やテーマに興味を持つ方
費 用:0円(懇親会に参加される方のみ3000円)
持ち物:名刺×2
定 員:Day1.30名
Day2.30名
言 語:日本語・英語(通訳あり)
 
*開場は両日とも12時45分となります。
*イベントは2回開催されます。テーマはDay1とDay2で異なりますが、体験するプログラムは変わりませんので興味のあるテーマへご参加ください。もちろん、両日参加も歓迎です。
*お持ちいただく名刺は、受付用と当日の名札用となります。
*当イベントはシビックテックの国際的なネットワーク「Code for All」のexchangeプログラムとして実施されます。
※1:中国とのサービス貿易協定批准を強引に進めた政府に対する反発が学生を中心に広がり、台湾の国会にあたる立法府が占拠された。政府は急速に支持率を下げ、のちの選挙で敗北を期し、政権は交代。協定は現在も発効されていない(wikipediaなどより)。

 


(隅屋輝佳・深山周作・平尾久美子)

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